2017-03-24

シミュレーター訓練。

 


IPT訓練が無事に終了後、数日間休みがありました。 なので久しぶりにカルガリーの自宅に戻りました。 カルガリーに着くと気温はまだマイナス20度近く。 しばらくバンクーバーにいたせいもあってか今まで以上に寒く感じました。 そのおかげですっかりカルガリーが嫌いになりました(笑)。 できればバンクーバーで暮らしたいなぁという思いが一層強くなりました。 だけど、今のところはトロントベースですので、予定通りトロントに引っ越します。 近い将来、西海岸に戻ってこれたらいいんですけどね。

 バンクーバーに戻ってきてからはシミュレーターでの訓練を受けています。 シミュレーターの施設はIPT訓練の施設と同じ建物にあります。 この建物、実は以前Dash-8の訓練を受けたときにも利用していました。 あの頃は、今使っているボーイング767のシミュレーターの前を通り過ぎ、建物の一番奥のシミュレーター室にあるDash-8のシミュレーターで訓練を受けていました。 767のシミュレーターの前を通る度に「すげぇな〜」って思っていたものです。 そのシミュレーターで今僕は訓練を受けているということがなんとも信じられない時があります。 僕は本当に運が良いです。 

 シミュレーター訓練では毎回いろんなことを学びます。 多くのことはその日初めてやることで、そのおさらいとか、復習というようなことに重点的に時間を割くことは基本的にありません。 次から次へと新しいことをやらせれます。 幸い、休日にシミュレーターが空いているときには練習で使ってもよいことになっているので、時間がある度に自主練習をしています。 今日の写真は前回自主練習フライトをやったときに同じグループの同僚が撮ってくれた写真です。 

 練習では主にエンジンが停止してしまったときの手順や、片方のエンジンのみでのフライト、アプローチの練習をやります。 この767,大きくて重いせいもあってか、CRJよりも安定して飛行できます。 手動で操縦していても比較的飛ばすのは容易です。 CRJのほうが不安定で、いろいろ大変だったように思います。 手動でも落ち着いて飛ばせるのは気持ちが良いものです。 システム自体は今だに分からないことも所々ありますが、少しずつ学習していて、慣れてきているのが自分でもわかり、楽しいです。 

 シミュレーター訓練ももうまもなく終了です。 あと数回セッションがあった後、試験があります。 それが終わったらまた数回シミュレーター訓練があり、最終的にライセンス取得のための試験があります。 それが終わるとトロントに行って実地訓練が始まります。 1月23日から訓練を開始し、もうすでに2ヶ月が経とうとしています。 すべての訓練が終了するまであと1ヶ月ほどです。 そろそろ外食も飽きてきました(苦笑)。


(つづく)

2017-03-05

IPT訓練。

 今はバンクーバーでIPT訓練を受けています。 IPTとは「Instrument Procedure Trainer」の略で、「シミュレータのシミュレータ」です。 フルモーションシミュレータは稼働費用が高いので、訓練でいきなりシミュレータを使うことはあまりないようです。 まずはIPTで基本手順を覚え、それができるようになってから初めてフルモーションシミュレータでの訓練に入っていきます。 


 二人一組で、2組同時に訓練をしています。 僕と僕のトレーニングパートナーがIPT訓練をしているときには、もう一組の二人が後ろに座って我々の訓練を見学し、ノートを取ったりしています。 一組の訓練が終わると、次の組の番という感じです。 1セッション約2時間です。 訓練の前にはブリーフィングがあり、飛行機の重要なシステムの仕組みをおさらいしたり、緊急時の手順の説明を受けたりします。 

 僕の教官は二人いて、どちらも定年を迎えた元767機長です。 世界を飛び回っていたパイロットから聞ける話はとても面白いものばかりです。 とにかく話のスケールがでかい! 例え話のほとんどが、「チリに行ったときにはね〜」とか、「ロンドンへのアプローチのときにね〜」とかで、カナダ国内の話はほとんど出てきません(笑)。 こういう話を聞いていると、自分もいよいよワイドボディのパイロットになるんだなぁという実感が少しだけ湧いてきます。

 IPT訓練はあと数日で、その後でシミュレータ訓練が始まります。 毎日勉強ばっかりで大変ですが、週末にはトレーニング仲間と食事をしたり、お酒を飲んだりしてリフレッシュしています。 皆真面目に勉強しているので、良い刺激を受けています。


(つづく)